SSDの寿命はどのくらい?あるなら何年くらい?
HDDはクラッシュしたら壊れますが、SSDはずっと使い続けることが出来るのでしょうか?
それとも使い続けると寿命が来てしまうのでしょうか。
現在の単価下落を考えれば十分実用的な寿命
フラッシュメモリーを使用したSSDは、HDDのように物理的に動く部品がない。とはいえSSDも長年使い続けると徐々に劣化を起こし、最後はデータの読み書きが性格にできなくなってくるSSDの内部ではNAND型フラッシュメモリーのセルにデータを記録し蓄積しています。ここで問題となるのが自然放電とセルの劣化となります。
セルの内部にある電子は全煙幕で囲まれて保護されていますが、3〜5年程度経過すると自然放電で少しずつ漏れ出します。漏れ出した電子の量がまとまった量になると、記録してあるデータが変わってしまう「データ化け」を起こします。これを防ぐには、データの消去・再書き込みを行い電子を再注入する必要があります。従ってSSDは数10年に渡るデータの長期保存には適しません。
電子の漏れ出しは「トンネル環化膜」が劣化すると増えてくる。フラッシュメモリーでは、データの書き込みや消去時に電子が本来出入りできない浮遊ゲートに電子を注入したり、逆に放出したりします。この際、トンネル酸化膜を突き破るためトンネル酸化膜に微細な傷ができます。この操作を何度も繰り返すと、浮遊ゲート周辺のトンネル酸化膜が少しずつ劣化します。このため、個々のメモリーセルの書き換え回数には制限があり、一般にSLCが5万〜10万回、MLCが3000〜1万回程度とされています。何も対策を施さずにそのままデータの書き換えを続けていると、あっという間に寿命を迎えます。
そこでSSDでは「ウェアレベリング」と呼ばれる仕組みを導入して個々のメモリーセルの寿命を延ばす工夫をしています。それは小さなデータ単位での書き換え時に特定の箇所を過度に書き換えないようにする「ダイナミックウエアレベリング」と、書き換え頻度の高いエリアと低いエリアを入れ替える「スタティックウエアレベリング」です。
こうしたウエアレベリング技術を通じてメモリーセルをできる限り何度も書き換えないように配慮することで、ドライブ全体としてのSSDは、個人ユーザーなら少なくとも5年以上の寿命は確保されています。現行のパソコン市場では5年前のストレージでは寿命の前に容量などの面で実用性の価値が失われます。そう考えると、現行の買い替えサイクルや容量増、単価の下落を考慮して「少なくとも5年以上」の寿命で十分と言えるのではないでしょうか。